2024年10月5日、「チ。ー地球の運動についてー」(チ。地球の運動)がTVアニメで放送されます!
チ。地球の運動は、15世紀ヨーロッパを舞台に地動説をめぐって、信念と命をかけた人々の物語です。
そんな漫画「チ。地球の運動」が史実通りの実話なのか気になる人もいるのではないでしょうか。
また悪役であり重要人物の異端審問官ノヴァクやほかのキャラに実在の人物のモデルがいるのかも気になるところです。
そこで今回は「チ。地球の運動」について以下のことをまとめました。
- チ。地球の運動は実話?
- チ。地球の運動の悪役ノヴァクのモデルは実在の人物?
ということを「チ。地球の運動は実話?ノヴァクのモデルは実在の人物?」と題して記事をお届けしていきます。
チ。地球の運動は実話?
「チ。地球の運動」は実話ではありません!
科学vs宗教という歴史的背景をもとにしたフィクションです。
理由は3つあります。
チ。地球の運動の史実はない?
チ。地球の運動の冒頭の「あなたはガリレオ・ガリレイら地動説を唱える人が、ひどい迫害にあっていたのを知っていますか。」
に対して「知っている」と答えた方は、作者の思うツボです。
作者は、「チ。」の天文学ジャンルを選んだ魅力の1つについて次のようにはなしています。
弾圧があったような印象を受けるのですが、史実ではどうやら、地動説ってそこまで迫害を受けてはいなかったらしいんですよね。しかし、現代では迫害があったと思い込んでいる人が多い。この勘違いも面白く感じて、テーマにしたい! と思った要因の一つです。
地動説と迫害については、明確な史実がないことは作者も承知の事実として描いています
チ。地球の運動はフィクション?
史実を伝えたいのではなく、「チ。地球の運動」は意思と情報が継承されることを伝えています。
作者は、フィクションを描くことについて以下のように答えています。
フィクションって“起こらなかったこと”と捉えられがちだけど、実は“起こりうること”である。自分の人生では起こっていないことなのに影響を与え、その人の主観になってしまうようなものになるのがフィクションの凄みであり面白いところ。
歴史は1人の天才が時代を大きく動かしたと捉えられがちです。ですが、背景には名もなき人々の意思と、情報の継承があったかもしれない物語となっています。
チ。地球の運動の評価がすごい?
チ。地球の運動の物語を描くうえで、歪んでしまう背景もあり、科学史、宗教史、天文史、中世史など各方面の有識者からはツッコミどころが多くあるようです。
「チ。」科学史的にも問題があって、天動説を図示する時には周転円を使ってるのに、地動説の図示には真円を使っている。実際には惑星は楕円軌道で、コペルニクスはその動きをシミュレートするのにやはり周転円を使っているが、それが無視されてただの真円の軌道にされている。 pic.twitter.com/bzcHuhqgrZ
— トッケイヤモリ (@zatazata) May 27, 2021
✨お知らせ✨
— 【公式】スピリッツ編集部 (@spiritsofficial) May 25, 2024
感動続く。
🌏チ。 -地球の運動について-🌎
✨日本科学史学会・特別賞 受賞✨
ありがとうございます。 pic.twitter.com/bzl5YLHoOZ
一方、漫画を読んだ人々が科学史に興味を持つきっかけになるからなのでしょうか、日本科学史学会から特別賞を受賞しています。
チ。地球の運動の実在人物は?
「チ。地球の運動」は全巻通して、最終巻に1人だけ実在の人物を登場させています。
それが”アルベルト・ブルゼフスキ”です。
唯一、史実とつながっていく人物となります。
「この漫画の内容はフィクションである。」だけど、アルベルト・ブルゼフスキが出てきた後の「天才たちの話は史実にある。」ことを思わせているのでしょう。
以上より、「チ。地球の運動」は禁じられた真理を探求する人々を描いたフィクション漫画で、実話ではありません。
チ。地球の運動の悪役ノヴァクのモデルは実在の人物?
チ。地球の運動の悪役ノヴァクのモデルは実在の人物で、ナチス・ドイツのアドルフ・アイヒマンです。
アドルフ・アイヒマンは、アウシュビッツ収容所に数百万人のユダヤ人を移送する担当をしていました。
アドルフ・アイヒマンとノヴァクの共通点とは?
アイヒマンの裁判を傍聴したユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントが次の言葉を残しています。
「悪の凡庸さ」
ごく平凡な人間が、信念を持たず、疑う思考もやめ、「組織の歯車として淡々と業務をこなしていた。」ということです。
ノヴァクも、残虐な仕事をこなす反面、家族や友人を大事にする姿も描かれた普通の人でした。
作者がインタビューで、モデルにした理由を次のように語っています。
人間の弱さに根ざした悪というのが、やっぱりストーリー的にはインパクトがあると思って。地動説を追求する主人公たちを追い詰める人物として、最初に考えたんです。
実在の人物をモデルにしたことで、ノヴァクはリアルで魅力的な人物になっています。
まとめ
「チ。地球の運動は実話?ノヴァクのモデルは実在の人物?」を最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は「チ。地球の運動」についてまとめてきました。
- 地動説を唱えるものが迫害された明確な史実はない
- 作者がフィクションを描く理由と、漫画の構成が一致している
- 科学史、中世史などの視点からは指摘がある
- ノヴァクのモデルは実在の人物ではあるが、地動説に関わる人物ではない
「チ。地球の運動」は実話や史実の部分はなく、禁じられた真理に命をかけて探求した人々の歴史上あったかもしれない物語を描いた歴史フィクション漫画です。
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